去年のブラックフライデーで Quest 3 を買って以来、 VRChat に魂を持って行かれました。Beat Saber したかっただけなのに。
そんなこんなで、足も動かしてえなあ~と思っていたら VIVE Ultimate Tracker を購入してしまったので、知見をまとめておきます。
VIVE Ultimate Tracker
ベースステーションの要らない VIVE トラッカー!! なんですが、現実はそう甘くはないです。
よいところ
- ベースステーション不要。トラッカー 3 個セット買えばフルトラ準備完了、さくっと高精度なフルトラマンに!
- すぐ買えます。1~2週間ですぐ届きます。
よくないところ
- 海外ガジェットを扱う基本的な知識が必要
- まだまだ β版、こないだまで OS のロケールが en-US じゃないとトラブってたりした
- マッピングが大変、覚えておけるのは 1 部屋だけ、広めの部屋が必要
- トラッキングが飛びまくる、飛んだら中々戻ってこない
- 高い。10万円です。高いね……
現時点での評価
現時点では お勧めしづらい です。
- なんにせよ高い、転ぶと痛い価格。合わなくて売るとしても、メルカリでほぼ新品の中古は 85,000 円前後の相場感、送料手数料を引くと7万円くらいになるので 2万円くらい損すると思います。
- 英語が読めて書けるくらいは必須です。トラブった時の相談先も Discord で英語です。
- マッピングは時間かかるし今のところ頻繁に行う必要があり、どうせ 1 部屋しか覚えられないので、ベースステーション + トラッカーを買った方がマシそう。
- トラッカーが飛ぶ頻度が高く、飛んだ後になかなか復帰しない
案の定ではありますが、高精度なトラッキングが必要であればベースステーション式、手軽な運用を求めるのであれば IMU 式 (ハリトラ、uni-motion、 mocopi あたり) がやっぱり手堅いかと思います。
とはいえ、VIVE トラッカーとベースステーションはず~っと品薄ですし、英語できる + PC に自信 + 金ならあるんやの人は買ったらそれなりに楽しめるとは思います。
買い方
公式サイトで買えますが、買うのに苦労するのでコツを書いておきます。
クレカ決済が通りづらい
komoju payment というところで決済されるのですが、三井住友カードだとほぼ通りません。 一度決済を弾かれ (よくある)、手動で解除して再度決済してもまた弾かれたので (なんで?) 、三井住友カードはやめた方がよいでしょう。
ちなみに、楽天カードは通りました。
購入ステータスが分かりづらい
決済が通らなかった (?) からといって何度も決済はしないほうがよいでしょう。挙動的に何個も注文してしまうおそれがあるかもしれません。
いくつも注文してしまった恐れがありそう (あるいは、注文が通ってるかどうかわからなそう) であれば、問い合わせフォームに投げてみると状況を教えてもらえます。
(もしかしたら) ログインせずゲストで注文したほうが注文が通るかも
私の場合、VIVE アカウントにログインして行った注文はすべて決済が完了せず失敗しましたが、ログインせずゲストとして注文したものは通りました。
タイミングや試した順序もあるかもしれませんが、どうしても通らない!って方は参考にしてみてください。
(おそらく) 購入者住所氏名は英語で記入したほうがよいでしょう
購入フォームはすべて日本語化されていますので、日本語で住所を書きたいところですが、発送は台湾から UPS で送られてきますので、英語表記にしておくほうがよいでしょう。
正しく注文できていれば
正しく注文できていれば、メールで「注文確定のお知らせ」「VIVE_JP オーダーの請求書」「VIVE_JP オーダーの領収書」が注文から数時間以内に届くと思います。
届くまで
私の場合、買おうと思い立ったのが春節真っ最中の 2/13 だったので、注文が処理され始めるのは春節明けの 2/15 からでした。
- 2/13 (火) 注文 (+オーダー問い合わせメール送信)
- 2/15 (木) 春節明け、メール返信
- 2/20 (火) 発送
- 2/22 (木) 着
発送は台湾 桃園から、 UPS Express Saver で空輸されてきました。輸送経路は下記の通り、台湾 桃園 → 中国 深圳 → 日本 成田 でした。
2/21 の深圳 → 日本便が運休だったようで 2/22 での到着でしたが、もし 2/21 に飛んでいたらもう 1 日早く到着したかもしれません。
というわけで、注文から 3 営業日で発送、発送から2日で届きました。海外通販としては高速な部類かと思います。
届いてから
𝙑𝙄𝙑𝙀 𝓤𝓵𝓽𝓲𝓶𝓪𝓽𝓮 𝙏𝙧𝙖𝙘𝙠𝙚𝙧 pic.twitter.com/Uuv1onqxCA
— かーの (VR のすがた) (@karnoroid) 2024年2月26日
そんなこんなで高級なおまんじゅうを手に入れました。主な用途は VRChat で、しかも Quest 3 を使うので β版ファームウェアをセットアップする必要があります。
セットアップの手順は、天狼さんの下記の記事が詳しいです。
セットアップ時のあれこれ
- 動画内では Quest Link での接続が推奨されていましたが、Virtual Desktop でも問題ないようでした。
- OpenVR Space Calibrator では、キャリブレーションの開始時に明確な指示がなく、キャリブレーションが一生進行しないような気がしますが、気にせずにコントローラーとトラッカーを ∞ の字に動かすようにすればキャリブレーションが進行します。
- トラッキングマップは 1 つのトラッカーで完了すれば OK です、残りのトラッカーには自動的に同期されます。うまくつながらない時はトラッカーを再起動してやるとよさそうでした。
- トラッカーのファームウェアアップデートは動画内で説明されていましたが、ドングルのファームウェアアップデートもあります。VIVE ストリーミングハブの 設定 → バージョン情報 → トラッカードングルのファームウェア で更新できます。
トラッキング マップの品質
トラッキングマップのセットアップ後、 C:\ProgramData\HTC\ViveSoftware\ViveUltimateTracker\config\Calibration.json
を開くと以下のような内容が保存されています。
{ "map_setup" : { "last_map_creation_time" : 1708762609, "map_quality" : [ 85, 80, 80, 80, 70, 70, 85, 80 ] }, "space_setup" : { "last_space_calibration_time" : 1708762662 }, "transform" : { "center_to_boundary1" : [ -1, 0, 1 ], "center_translation" : [ 0, 0, 0 ], "position" : [ -3.8824076652526855, 1.2561577558517456, -3.5396261215209961 ], "rotation" : [ -0.0012621181085705757, 0.41655132174491882, 0.00036863924469798803, 0.90911126136779785 ], "universe_id" : 9277627169231678956 } }
上記の .map_setup.map_quality
がマップの品質を示していて、0 ~ 100 の数値が入っています。
概ね 70 以上でマッピングに成功しており、80 以上が望ましいようです。
使ってみて
主に以下の点に課題を感じます。
- マップの作成が大変すぎる + マップの使い回しが厳しい
- トラッカーが飛ぶと戻ってこない
マップの作成が大変すぎる + マップの使い回しが厳しい
マッピングは概ね 10 分程度かかる感覚です。できる限りゆっくりトラッカーを動かしたほうがいいので、ささっと進めるわけにもいかないのがかなり難点。
さらに、一度マップを作成すれば使い回せるかというと、中々そういうわけにもいかなそうです。特に照明や太陽光の影響はかなりあるようで、照明を付けずにマッピングしたあと照明を付けるとトラッキングできなくなったり、夜に照明をつけてマッピングした後、翌朝使用しようとしたらトラッカーが飛んでしまったり、結局使用時にマップ作成するのが最も良さそうであり…
トラッカーが飛ぶと戻ってこない
VIVE トラッカーはベースステーションの影に入るなど、トラッカーが見えなくなるとトラッキングが「飛ぶ」と言われていますが、これは VIVE Ultimate Tracker も同じで、カメラが塞がれるとトラッカーが飛びます。
各種動画を見ていると、VIVE トラッカーはトラッキングが飛んだ後にベースステーションの視界に復帰すれば位置が戻っていますが、Ultimate Tracker は一旦トラッキングが飛ぶと回復まで時間がかかる というか、一旦胸元にトラッカーを持ってこないとトラッキングが復活しないように思われます。
おまけ
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